人工透析を30年やっていた母親やその辺りの話を少し書いてみようかな


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もう削除されてしまいましたが 長谷川豊氏の「自業自得の透析患者に保険料使うのはもったいない」的な記事で結構いろんな方面に飛び火していますね。

個人的に色々思うことはあるんだけど客観的に自分の母親が人工透析治療を受けていたのでその時の話をつらつら書いてみたいと思う。

私は自業自得の透析患者とか言える怒りも無いですし誰が悪いとも思わない。

結果的に平均寿命が延びてそれまでは手早く亡くなってた人が長生きするようになってきたので慢性疾患も出てくるだろうって思うだけで。

先ず透析治療って何?って話ですが手短に言うと人体の老廃物を濾す濾過器の役目を果たす腎臓が弱ったり機能しなくなった場合、血液中に様々な老廃物が溜まってしまい多くの場合数日で尿毒症起こして亡くなってしまうんですね。

その腎臓で濾過出来ずに血液中に溜まった老廃物、一番はアンモニア(おしっこ)を一旦体内から血管に刺した管から体外の人工透析機に送りそこに設置された濾過フィルターを使用し血液中から取り除きまた体内に戻す治療です。

だから一旦人工透析を始めたらおしっこは出なくなります。

その為、腎臓は萎縮しがんになる確率も高くなったりと弊害が沢山あります。

なので人工透析治療と言いますが個人的には人工透析延命措置なんじゃないかと思います。

透析治療が始まった今から40年程前の人工透析機に使用されていた透析用フィルターは今ほどの性能も無く血液中から人体に必要な成分までとってしまうもんだから透析患者の多くは特有の合併症を発症しています。

その発症具合でその人の透析生活の残り年数がわかったりして実際には残酷なものです。

昔の話になりますが私の母が透析を始まる前年に透析治療に対して保険が適用になりました。

だいたい、月に50万ほどの費用がかかります。

ですので保険適用前に透析治療に入ることになった場合は全て自費でした。

では実際に透析治療しか道が無くなった方々はどうしていたか?

大方の人はそういう治療費を払えるわけもなく亡くなるのを静かに待つか自ら命を絶たれる方も多かったですよ。

病院で母のお友達になった方にも数人います。

そういう悲しいお話が沢山合って全腎協の方や皆さんの力で保険適用になったんですね。

あと、長谷川さんのお話で違和感があったのはこの人、実際に病院に足を運んで透析病棟に行った事もないんだろうなぁ~って事。

ブログ内で頻繁に出てくる自業自得の糖尿病から腎臓病になった人たちの話だけど確かに全く人の話を聞かずに透析まで行っちゃった自業自得の人は居ましたしそれは母からも話を聞いたり病院で自分でも見てきました。

ただ自分が感じた割合だと透析病棟の中での糖尿から透析開始の方って3割位じゃないかな。

そして多くの場合、糖尿から透析開始された方は末しょう神経障害で足先壊疽を発症したりして膝から下を切断した方が大半。

更には網膜の眼底出血も起こし片目失明若しくは両方の目を失明されている方が多かったですね。

透析病棟を持ち外科も併設している病院に行けばわかりますが足の無い目の見えない車いすに乗った方が結構居られますよ。

でもね、多くの透析患者さんは自宅から通われてるので外科病棟に入られている方との比率では糖尿からの方ってそんなに多くない感じがします。

あとこういう事を言うと申し訳ありませんが多くの場合、糖尿病から透析に移行した方々はそんなに長生きされているのをきいたことがないですね。

こういう状況で透析治療を受けている人達を題材にして長谷川さんが書かれている内容はちょっとなぁ~って気持ちになってきます。

確かにブログ中で純粋な腎臓病から透析に移行した人の話ではないとは述べられていますがそれを十分打ち消す様なインパクトのある記述が沢山ありますので一般の方が読むと透析患者イコール税金の無駄使いってうつるんじゃないかって思うですね。

透析患者の生活って?

透析が始まると尿が出なくなるので飲んだ水分は全て体内に溜まります。

なので透析患者は次回の透析時に体内溜まった余分な水分も機械で除去(水を引くと表現します)するのですがあまりに沢山の水を体内に貯め込むと心臓に負担がかかるんですね。

ですので透析初心者がよくやるのは水分のとり過ぎで心臓に負担がかかり不整脈を起こして病院に担ぎ込まれる事です。

実際は担ぎ込まれる間に心停止した方も沢山います。そのまま亡くなるんですけどね。

更に人工透析器でその血液中に溜まった水を引く時、急に引くとやはり心停止を起こします。

ですので人工透析病棟では平和に全ての人がその日の透析を終われるかは本当に稀な事で大抵病棟内のどなたかが水を引きすぎて血圧が下がりそのまま亡くなるなんて事も日常茶飯事で。

私の母親は30年間こういう環境の中で生きてきたのでお友達や透析病棟の中での知り合いの死を沢山見てきたんですね。

30年と言えば週に3回の透析だと 3回 x 4 x 12 x 30で約4320回です。

そして透析を30年続けてきたというのはほとんど250年生きているゾウガメ位に貴重な生き残りだったようですね。

正直多くの方が透析始めて10年位で居られなくなっていましたので。

今は透析用の濾過装置が良くなり体内に必要な成分は取り除かないようになるなど技術革新に支えられていますが。

そして透析治療に入ると食べるものも影響を受けます。

先ずカリウムが入っているものを食べると簡単に死んでしまいます。

カリウムが何に入っているか?

一番は果物。

だから透析に入る前には尿を出すために良いなんて言われていたスイカをたくさん食べると死ねます。

バナナも死ねます。

キュウリも死ねます。

キウイも死ねます。

生野菜もたくさん食べると死ねます。

そして一番透析患者さんが気にかかるのがシャント。

シャントとは透析器に血液を循環させるために血液を取り出し入れる為の人工的な血管細工で外科手術によって体に作ります。

つまり透析を行うにはこのシャントが無いとダメなのですがこのシャント、透析の度に針を刺すので数年に一度作り直さないといけないんですね。

多くの場合は腕に作るのですが其処がダメになると次の場所、また次の場所という様に作っていきます。

そして作る場所が無くなれば・・・・・

そうなんですね悲しいですが。

人によっては体は未だ透析に耐えられるのにこのシャントを作る場所が無くなってきて大変な思いをされている患者さんも居られますね。

さらに透析患者を悩ませるのが合併症。

透析を長く続けていると人工透析器で除去出来なかった老廃物、例えばアルミ(アミロイド)なんかが関節や掌の真ん中の手首にある手根管に溜まる手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)等を起こし何度も手術をしないといけなかったりします。

また輸血によって肝炎に罹ったり。

とにかく生きながら沢山の試練を乗り越えていかないと生きていけない状態になるのが透析生活なんですね。

だから私はそういう人達に対して自業自得だから云々の話は出来ないなぁ。

だって今は元気かもわからないけどいつ腎臓病から透析生活になるかもわかりませんし。

更に透析って腎臓病だけじゃなくて外科的な事故なんかでも発生しますし。

長谷川さんの書いてる意味は理解するけど同意は出来ないな。

なんて感じの気持ちを書いてみました。

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